センター長あいさつ
ヘルスサイエンス
R&Dセンター長
小池 竜司
このたびはヘルスサイエンスR&Dセンターのホームページにご訪問いただき、ありがとうございます。本センターは、2015年3月に設置された医療イノベーション推進センターの機能をさらに強化し、大学の研究成果を新しい医療技術として実用化する活動をより強力に推進することをミッションとしています。
大学における医学研究では、研究室における基礎研究こそが格式ある研究と評価され、実用化のための活動や工夫は軽視される風潮がありました。しかし、どんなに画期的な基礎研究成果であっても、患者さんに届けられるまでには医薬として開発されなければ意味はありません。そして、実用化までの道のりを考え実行することは基礎研究と同じように重要なものであり、研究室で行うことではないとしても科学の一領域として評価されつつあります。附属病院を有する大学は、基礎研究成果の実用化を進めるとともに、それ自体も科学として追求し、その質を高めることに寄与すべき責務があります。
医学の進歩につながる医療技術の開発は近年多様化しています。従来の医歯学、生命科学といった枠にとどまらず、理工学から人文科学にも及ぶ幅広い知見や視点が必要になっています。本学には医学部、歯学部に加えて生体材料工学研究所、難治疾患研究所という付置研究所がありましたが、このたび東京工業大学との統合が発表され、さらに多角的視点で研究や開発が可能な環境が形成されつつあります。そこで本センターでは、従来の医歯学を超えた広い視野をもってヒトの生命や健康を示す、「ヘルスサイエンス」を掲げることとしました。
「ヘルスサイエンス」を追究し医療や生活の場で実用していくためには、長い時間と厖大なマンパワーを要する臨床試験の実施、製品化、法令の理解と順守、行政や企業との調整などを粛々と進めていかなくてはなりません。そのためには、領域や分野を問わず大学内外の幅広い方々との対話や交渉が必須です。当センターの略称「HeRD」には「集まり」や「群れ」という意味もあり、様々な皆様と機能的な「HeRD」を構築してヘルスサイエンスへ貢献していきたいと考えています。「HeRD」をどうぞよろしくお願いいたします。